GameSir Tarantula Proの長期使用レビュー、刺さる人には刺さる良コントローラー
GameSirの意欲作、PlayStation配置のスティックが特徴的なGameSir Tarantula Proを徹底的にレビュー。
1週間Apex Legendsのランクを回して感じた「期待」と「可能性」とは?
目次
GameSir Tarantula Proの概要、どんなコントローラー?
GameSir Tarantula Pro
GameSir (https://www.gamesir.hk/)は主にXBOX向けにリーズナブルなコントローラーを世界展開するメーカーです。
有名どころでは「T4 Kaleid」「T4 Cyclone」等の製品をヒットさせています。
特徴的なのがXBOXの公式認定コントローラーを多く出していること。
今回取り上げるTarantula Pro(タランチュラプロ)はXBOX公式認定はありませんが、GameSirの製品の中ではハイエンドに位置するコントローラーとなっています。
しっかりした作りで「PRO」コントローラーらしい期待感が持てる外箱になっています。
開封してみると、やや簡素ながら丁寧に梱包された本体がお目見えします。
ここからは、GameSir Tarantula Proの特徴を見ていきましょう。
1,PlayStation配置のスティックと本体形状
スティックの配置は横並びとなっており、PlayStation配置となっています。
ハイエンドコントローラーはほとんどがXBOX配置(左スティックと十字キーの配置が逆)になっており、PlayStation配置は貴重です。
スティックの形状もDUALSHOCK4やDualSenseと同じような形状で、フリークも付けられる仕様。
面が広くなっておりずっとDUALSHOCK4を使っていた私にとっては操作しやすいスティックです。
本体形状もDUALSHOCK4の様な形状となっており、手に馴染む持ちやすさです。
ややグリップ部分の左右の出っ張りが大きいため強く握る方は手の平に痛みが出るかもしれませんが、サイズ感も大きすぎず握り心地は悪く有りません。
通常持ちでもクロー持ち(モンハン持ち)でも背面ボタンは押しやすく、各ボタン操作もしやすい、さすがDUALSHOCK4クローンのコントローラーという印象です。
2.しっかりした日本語マニュアルとGameSirステッカー付き
アクセサリー類は
- ウェルカムカード
- ステッカー
- 適合証明書
- 日本語付きマニュアル
- 2.4GHz 無線USBドングル
- USB Type-A to Type-C ケーブル(1.8m)
の6点が付属していました。
GameSirの製品は本体のみで設定できる項目が多いため、日本語マニュアルは重要です。
マニュアルは公式サイト(https://www.gamesir.hk/pages/manuals-gamesir-tarantula-pro?srsltid=AfmBOopHIw7oY2oTzCy45WrA7b9jN_nLymksX-5DIiBsKfID6CRbyhbK)からダウンロードすることができます。
3.XBOX配列とSwitch配列が切り替わるABXYボタン
なんといっても特徴的なのが、内部のギアが見える様にデザインされた本体でしょう。
ABXYボタンがこのギアによって物理的に回転し、XBOX配列(下がA、上がY)とSwitch配列(下がB、上がX)に変化。
ボタンのLEDライトの色も変わるため、まるでそれぞれの専用コントローラーかの様に変身します。
4.9個もの大量の追加ボタン
全面にはC1、C2、C3、C4という4つの追加ボタンに加えて、上部のGAMESIRロゴの部分に左・右・真ん中の3つの追加ボタンを配置。
背面にも2つのボタンがあり、合計で9つの追加ボタンがあります。
5.背面ボタンが不要なら無効化できる機能付き
背面ボタンは背面下部にあるL4・R4と書かれたロックスイッチをONにすることで、無効化できます。
この機能もギミックが付いており、無効化時は本体と面一(ツライチ)になる仕様。
持ちやすくなるので背面ボタンが不要な方には便利な機能です。
6.ボタン化するトリガーストップを搭載
トリガーストップももちろん搭載しており、しかもマイクロスイッチボタン化するためFPSゲームに最適。
離すとこのぐらい飛び出たトリガーですが、
通常のアナログトリガーは約6mmストロークします。
アナログトリガー時のストロークはやや浅めながらコントロールしやすい適度な重さのある仕様。
トリガーストップON時は1mm〜それ未満のヘアトリガーに変化。
押し心地も軽く、エイムに影響が少なくてとても優れたトリガーです。
7.本体重量は265gと意外と軽い
多数のギミックが搭載されているため重いかと思いきや本体重量は意外と軽めの265g。
長時間プレイでもそこまで苦になることはなくプレイできます。
8.非接触式のTMRセンサースティックを搭載
スティックはホールエフェクトと同じ非接触式のTMRセンサーを搭載。
ホールエフェクトよりも精度が高いTMRセンサーでよりスティックの精度がアップ。
スティックの軸部分にはしっかり金属のカバーがされており、削れカスも出にくい仕様になっています。
ドリフトしづらく、耐久性と精度の高いスティックとなっています。
9.Microsoft Storeで配信される設定ソフトウェア「GameSir Connect」が便利
GameSir Tarantula Proは本体のみでも以下の項目が設定可能です。
- PC/Bluetooth/iOS/Android/Switch 各接続モードの設定
- ターボ設定
- 追加ボタンへのボタン設定(複数のボタン同時押しも設定可能)
- ヘアトリガーモード(アナログトリガーでも瞬時に100%になる)の設定
- 振動機能の強さ設定
- 左右スティックのデッドゾーンのON/OFF
- ABXYボタンのXBOX/Switchレイアウトの変更
- LED照明の調整(明るさ、色、速度、彩度)
- スティックとトリガーの再キャリブレーション(本体でのみ可)
- ジャイロスコープの再キャリブレーション(本体でのみ可)
GameSIr Connect(https://apps.microsoft.com/detail/xpfmnz2f440g2l?hl=ja-jp)を使えばさらに以下の項目も設定可能になります。
- ファームウェアアップデート
- ジャイロ機能の設定
- スティックの感度カーブの設定
- スティック/トリガーのデッドゾーン、アウターデッドゾーンの数値での設定
最初は中国語で立ち上がるため、ホーム画面右上の設定マーク(ドーナツの様なアイコン)をクリックして言語を変更してください。
執筆時点(2024/11/13)では英語か中国語のみ選択可能でした。
コントローラーを接続するとこの様な画面になります。
右上の上矢印マーク(⇧)をクリックするとファームウェアアップデートが可能です。
私が購入したTarantula proはV2.0.2だったので、ファームウェアアップデートしてV2.0.4にして使用しました。
ファームウェアアップデートした直後はスティックの動作がおかしかったりしました。
スティックとトリガーの再キャリブレーションを行うことで解消したので、ファームウェアアップデートをした後は必ず再キャリブレーションをする様にしてください。
再キャリブレーションは以下の手順で行います。
- スタート、セレクト、GameSirボタンの3つのボタンを同時に長押し
- GameSirボタンが白く点滅する
- アナログトリガーにして、トリガーを3回最後までしっかり押して離す
- スティックを3回回す
- 終わったらXBOXモードならAボタン、SwitchモードならBボタンを押す
GameSir Tarantula Proの良かった点は男心くすぐる設計!
1週間Apex LegendsをTarantula Proを用いて回してきましたが、非常に優れていると感じる点がありました。
1.PlayStation配置&サイズのスティックはやっぱり良い
PS配置のスティックのコントローラーは今や貴重です。
ほとんどのサードパーティコントローラーがXBOX配置となってしまっています。
なんだかんだ使い慣れているだけあって、この配置が落ち着くんですよね。
さらに、1週間使って思ったのが「やっぱりスティックの面は広いほうが良い」ということ。
精密なエイムがしやすく、親指にも優しくて操作が楽なんです。
もっとPlayStation配置のコントローラーが発売されてほしいとさえ思ってしまいました。
2.ギミックがたまらない、無駄に動作させて楽しんでしまう
ABXYボタンが入れ替わるギミックは本体のみで動作させることができます。
- 背面のMボタン+ABXYの下ボタン(XBOX配置のAボタン、Switch配置のBボタン)を長押し
つい暇なときに手癖で動作させてしまって、「ウィーン」と入れ替わるボタンを眺めてしまうぐらいには楽しいギミックでした。
こういうギミックってコントローラーを収集する趣味のある方にはとっても刺さりやすいと思うんですよね。
こんなアイデアが生まれること、そして、このアイデアを実現してしまうことが素晴らしいと思ってしまいます。
GameSir Tarantula Proの悪かった点は詰めの甘さ
非常にこだわった作りで、意欲的な製品だと感じるGameSir Tarantula Pro。
もちろん、気になる点もありました。
1.リニアTMRスティックと謳っているがリニアでは無い
宣伝ではリニアTMRスティックと謳っていますが、私が計測した限りではリニアではありませんでした。
0(中立付近)に近い所が低感度になっているスティックとなっています。
そのため、純コン(DUALSHOCK4、DualSense、DualSense Edge)の様なリニアな操作感は得られません。
ただし、GameSir Connectの感度カーブで修正するとリニアな操作感を得ることが可能です。
詳しい設定方法などはコチラのYouTube動画 (https://youtu.be/VxIDSk4vgbE)で解説していますので参考にしてみてください。
2.追加ボタンがとにかく押しづらい
前面・上部の追加ボタンはやや押しづらい位置にあり、上部左右だけはなんとか指を伸ばせば届くかな?という距離感。
スティックに親指を置いた状態では背面2つのボタンしか押すことができません。
Apex LegendsなどのFPSゲームでは少し使いづらい追加ボタンの配置だと感じました。
上部左右部分にプラスチック等を貼り付けて高さを増してあげると比較的楽に押せる様になるので、そういった改造をすると良いでしょう。
3.USBケーブル差込口が奥まっており狭い
USBケーブルは市販品だと刺さらない事も。
付属のケーブルを使う必要が出てくるかもしれません。
私の手持ちのケーブルはすべて刺さらなかったため、付属ケーブルを使うことになりました。
端子部分の強度確保のためといった理由があるのかもしれませんが、こういった部分は規格化されている部分でもあるため敢えてこの様な設計にしているのは残念ポイントです。
ケーブルの断線等の際に交換品を見つけづらいため、長く使っていきたいと考えている場合には注意が必要です。
GameSir Tarantula Proはこだわりを感じる意欲作だった
GameSirは比較的リーズナブルなコントローラーを多く発売しています。
そんな中で、ハイエンドとも言えるプロコントローラー使用の本製品はチャレンジと言って良い意欲作でした。
Flydigi VADER4 PROやBIGBIG WON BLITZ2 TMRといった完成度の高いトップランナーが居る中で、果たしてどこまでやれるのか?
というのが一つの見どころだったわけですが、やはりそれらコントローラーの完成度には今一歩及ばない印象でした。
しかし、他製品には無いギミック、背面ボタンのロック機構、PlayStation配置&サイズのスティックなどなど、GameSirのこだわりが垣間見れた本製品は完成度さえ上げていけば十分にトップへ上り詰めることができるポテンシャルを感じさせてくれました。
今後のGameSir製品が楽しみになる本製品、特にPlayStation配置のスティックを探している方にはおすすめできる製品なのでぜひお試しあれ。